東京大学医学部付属病院、大手美容外科を経て、21年1月に東京・御徒町にAILE Clinicを開業した井原力哉院長。開業時のこだわりは、診療だけでなくクリニックで過ごす時間すべてにおいて「継続して通いやすいこと」。クリニックにおける体験をトータルプロデュースする一環として院長自らB4A導入をご決断いただきました。今回は、その背景や理由、導入後の感触についてお伺いします。AILE Clinicは「通いやすさ」を追求したクリニック−まずは、開業の経緯をお伺いさせてください。AILE Clinic開業までは大手美容外科に勤務していました。大きな組織だったので、ドクターは診療をしっかりやっていればOKという風土だったのですが、それでも自分には患者様が不満を感じているのが見えていました。具体的には、アップセル等により患者様が期待した価格とは異なる、院内での待ち時間が非常に長い…などですね。改善の余地はあるものの、先程言ったように大きな組織だったので医師の立場で中から変えていくのは難しく、それだったら自分でやってしまおうということで、開業を決断しました。−クリニックのコンセプトは何でしょうか?「継続して治療を受けたいクリニック」です。美容医療は術後のアフターケアも必要ですし、いわゆるプチ整形やアンチエイジング施術は基本的に回数を繰り返す前提なので、1回施術して終わりというよりは通ってもらうことになります。「継続して治療を受けたい」を実現するために「通いやすさ」を追求しました。−「通いやすさ」のこだわりはどんなところに現れているのでしょうか?通いやすい価格もそうですし、通いやすい立地(複数の路線が交差する御徒町駅から徒歩1分)にこだわっています。価格について、これまでの美容外科ではアップセルやクロスセルによる金額アップは当然あるもの…という考え方が主流でした。一方で当院は「継続して治療を受ける」というコンセプトに基づき、一回の施術で値段を上げて契約を取るよりも、患者様に無理のない範囲で施術を行い、余裕があれば次にこれも受けたら…というご提案を患者様にしています。−「通いやすさ」の中に、診療以外の来院体験も含まれるのでしょうか?ホスピタリティも、当然重視しています。以前勤務していたクリニックの反面教師というのも、少しあります。患者様によっては美容院みたいな感覚で月に1回通ってくださるのですが、そこで毎回待ち時間が1時間以上となると、どうしても通いづらさを感じてしまいますよね。これが例えば、一生の内1回か2回しかやらないような大がかりな手術だったら、2時間3時間待っても平気かもしれないですが、月1回通うような場所でそれをされると、きついですよね。AILE ClinicのWebサイトでB4A経由の予約をした患者様は、ウェブ上で事前問診にご回答いただいた状態でご来院されるので待ち時間が少なく、クリニックのホスピタリティ向上に寄与してくれていると考えています。B4A導入の決め手は、カスタマイズの柔軟さとオペレーションの簡便さ−他のクリニックでは、医師の方が現場のオペレーションまで見るケースは少ないと思うのですが、AILE Clinicではそこも井原院長が見られているのですね。そうですね。開業時の導入ツールの検討はもちろん自分でやりましたし、クリニックも開業したばかりなので、いまは現場のオペレーションも含めて自分が見るようにしています。−B4Aをご選定いただいた理由として何が挙げられますか?他のシステムと比較すると、予約に対するスタッフ割当、時間のカスタマイズのしやすさが魅力でした。スタッフの習熟度が開業当初から比べると上がったので、施術にかかる時間をもっと短くしてみようとか、既存のスタッフにはこの施術は振っていいけど、新しく入ったスタッフさんにはこの施術は避けておこうとか、そういうことがすぐにできるのがポイントでした。※筆者注:B4Aでは、メニューのスタッフ、時間設定を元に、予約時に自動で、スタッフの割当とスケジューリングがなされます。B4Aのプロダクトチームも、問い合わせをすると週末を挟んだとしても2−3日で返答してくれて、スムーズにコミュニケーションがとれています。SaaSなので、すぐに叶わなくても要望をだしておけば将来的にB4A側でアップデートされるかも、という期待もB4Aに決めた要因でした。−現場スタッフのオペレーションの面ではいかがでしょうか?AILE Clinicサイト以外の集客媒体で予約された場合、予約確認の電話をこちらからしなければならなかったり、チャットで送られてきた予約希望をスタッフが取るという作業が必要になります。また、患者様が来院された時にも紙の問診票に記入していただかないといけない。スタッフの手間を考えても、電話する時間・紙から電子カルテに転記する時間などだいぶ時間にロスがあります。 その点、当院サイト(B4A経由)で予約すれば確認の電話も要らないし、患者様が事前にWEB問診票に記入していただけるので、スタッフのオペレーションも効率化され、患者様にとっても24時間予約や予約変更ができて、来院からカウンセリングまでのご案内がすぐできるので、満足度は高いと考えています。電子カルテとWEB問診票が別々のシステムになっていると、ここでまた転記の手間が生まれるのですが、B4Aはそこが一体化しているのも良いですね。B4Aは部屋・機材のみならず、スタッフのスキルに応じた予約割り当てが可能−実際に開業してみて、B4Aの使い心地はいかがですか?部屋と機材とスタッフの予約割り当てが柔軟にできるのは、使い始めてみてやっぱり良かったです。ほかの電子カルテのシステムだと部屋と機材が固定になっているものもあるのですが、実際には部屋移動できる機材も結構あるんですよね。機材もどんどん動かせて、スタッフのスキルもバラバラなのを調整できるという柔軟さがB4Aにはあります。−スタッフからの声などはありますか?紙のカルテだと、来院される前日の晩にカルテを引っ張り出してきてあらかじめ用意しておかなければならない…というのを患者さんの数だけこなさなければならなかったし、カウンセリングまでの案内や会計にも時間がかかってしまうのに対して、そこが簡便化できているのは感じていると思います。ただ、現状はAILE Clinicサイト(B4A経由)での予約以外の患者様も多くいらっしゃっている状況なので、問診票から電子カルテへの転記などの手間は発生してしまっています。今後の課題は、自院サイト以外の集客媒体経由で予約し来院してくださった新規の患者様を、いかに囲い込んでAILE Clinicサイトからの予約に移行してもらうか、というところだと思っています。B4Aを活かして、クリニック経営を更に理想形へと進化させていく−今後というお話がでましたが、展望などお伺いできますか?まずはスタッフの習熟度をあげて、対応できるメニューと予約枠を増やしていって同時並行で価格も抑えて、そこで新規の患者様に多くきていただくことが一番の課題だと思っています。その中でいかにリピートしてくれる患者様を増やしていくか…というところでは、AILE Clinicサイトからの予約限定のキャンペーンを作るチャレンジをしています。こうしたキャンペーンメニューの追加も、B4Aなら柔軟にカスタマイズできますしね。患者様の囲い込みについては、B4Aの会員管理機能やデータベースを活かした攻めのマーケティングも実施できるので、この辺りも順次実践していきたいと考えています。−リピートの患者様が増えればより我々のシステムを使っていただく機会も増えると思います。日々の運用の中ででてきた課題点など我々も改善できるよう努めて、AILE Clinicさんの成功に少しでもお力添えできれば幸いです。本日はありがとうございました!